Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
『ありがとう、アキ』
『いつも助かるよ、さすがお姉ちゃん』
『アキちゃんは本当にいい子ね。将来いいお嫁さんになるわよ』
妹が生まれた時からずっと”優等生のお姉ちゃん”を演じてきた私は、人に甘えることができないまま大人になった。
自分は甘えられないのに、人に甘えられる機会はどんどん増えていく。
それは、恋愛においてもそうだった。
年下で末っ子の甘えん坊の彼の世話をしているうちに、甘えられるようになって、甘えられるのが心地よくて、付き合うようになって…。
でも、心地いいのは最初だけで、やがて私は恋人にとってただの”世話してくれるお母さん”になっていって…。
本当は甘えたいのに、甘えられないうちに疲れて別れてしまう。
そのパターンを、これまで何度も繰り返してきた。
だから、もう疲れる恋愛はやめよう。年上の包容力のある彼を見つけて、互いに支え合いながら生きよう。
そう思っていたのに、気づけばまた、末っ子男子に引っかかってしまっていた。
「えー、でも、一応年上なんだけど、俺」
一つ年上だけど末っ子の彼・ユウヤは、これまでの人と同じように甘えてくるせいで、年上なのに年下みたいだった。
「俺は、他の奴とは違うから。
…だから、俺だけ見ててよ」
友人の紹介で出会ったユウヤにそう熱く迫られて、思わずOKしてしまったけど…心の中は、いつも不安でいっぱいだった。
ユウヤはいい人だし、甘えるだけじゃなく、いつも私のことを気にかけてくれる。
車で迎えに来てくれるし、デートでもいつもリードしてくれる。
話してても遊んでても楽しいし、優しい。
それでも、過去の恋愛がどうしても頭の隅をよぎる。
今は優しいけど、いずれ変わっちゃうんじゃないか、飽きられてしまうんじゃないか。
考えたくないのに、つい、そんなことばかり考えてしまっていた。
交際からわずか半年で、ユウヤに「結婚したい」と言われた。
冗談だと思った。「そのうちね」と言うと、「俺、本気だから」と言われた。
半年後、もう一度結婚したいと言われた。今度こそ逃げきれず、私はプロポーズを承諾してしまった。彼はその場で、「ありがとう!幸せにする!」と大きな声で叫んだ。
それから、婚約指輪を買ってもらって、両親に挨拶をして、入籍して…すべてがあっという間に進んだ。
早すぎて、私はやっぱり信じられなかった。
嫌なわけじゃない。嬉しいし、ありがたい。そう思っているのに…やっぱりどこか、幸せだ、と思えずにいた。
不動産屋さんで二人の新居の鍵を受け取った時も、まだ私には幸せがわからなかった。
でも、ユウヤと一緒に新居のドアを開けた、その瞬間…窓から差し込む光と、光に照らされるまっさらなフローリングの床を見て、気づけば「幸せ」と呟いていた。
ああ、これが、『幸せの入り口』なんだ…その時私は、そんなことを思った。
アンティークで可愛いと思い、何気なく手に取った『porte』という婚約指輪。
その指輪につけられていたゆびわ言葉が『幸せの入り口』だった。
「これでいいの?」
「うん、これがいいの」
その指輪は、私にぴったりの、私に丁度いい指輪だった。
もっと可愛い指輪も、シンプルな指輪もある。
何年か前だったら、もっと可愛い指輪を欲しがっただろう。
でも、アラサーになった今、可愛すぎるものは身に着けられる自信がない。
だけど、心のどこかで捨てきれない、可愛いものへの憧れ…それを満たしてくれるのが「大人カワイイ」ものなのだ。
甘すぎない、大人カワイイ指輪、『porte』。
この指輪が、今の私に一番似合う指輪だった。
『幸せの入り口』。
それは私の家でもユウヤの家でもない、私達二人の家だった。
その家に一歩踏み出し、ここで、夫婦として新たな生活をはじめられる…そう思った瞬間、急に幸せだと思った。
家族にとっては「お姉ちゃん」、かつての恋人達にとっては「お母さん」として、これまで色々なものを我慢して、色々なものを捨ててきた。
だから、幸せも掴めないと思っていた。
でも、ユウヤは私に手を伸ばしてくれた。「俺だけ見てて」って、「幸せにする」って、言ってくれた。
掴めないと思っていた幸せは、目の前にあった。
ずっと目の前で、私が受け入れるのを待っていてくれてたんだ。
「わ…! アキ、どしたの?」
そこまで考えて、急に涙が溢れてきた。
突然泣き崩れる私を見て、ユウヤが驚く。
「…私…幸せだなって…思って…」
そう言って泣きじゃくる。きっとユウヤには意味がわからないだろう。
でも、ユウヤはとびきりの笑顔で、私の言葉にこう返事をした。
「うん、俺もすごい幸せ。だってこれから、アキとずっと一緒にいられるんだもん」
屈託なくそう言われ、驚いて…また涙が溢れてしまった。
「え、ちょ、なに!?」
「…なんでもないっ」
私は急いで涙を拭いて、心の中で「ありがとう、ごめんね」と呟く。
今更、こんなタイミングで気付いてごめん。
あなただから幸せだったんだ。他の誰でもない、あなたとだから立てたんだ。これからずっとずっと続く、この『幸せの入り口』に。
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