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Ring Story

sweet breeze ゆびわ言葉 ®: 優しさ

2019.05.22

20歳。市営地下鉄、朝8時。
大学に通うため、通勤ラッシュで込み合う階段を心底だるいと思いながら上っていると、目の前をおばあさんがゆっくりゆっくり歩いていた。
遅刻しないようにそっと抜かして階段を上っていると、後ろにいた奴がおばあさんにぶつかった。舌打ちをして横にずれ、階段を上っていく。

そりゃあ、こんな時間にそんな速度で歩いていたら、当然だ…そう思っていると、今度は長い黒髪の美人がおばあさんの後ろに立った。

「大丈夫ですか?」

素通りしていくのかと思いきや、美人はおばあさんに声をかけた。
そして、一緒にゆっくり階段を上って行って…そんなことをしているうちに、電車が一本通り過ぎていってしまった。
それでも黙っておばあさんを支えている美人が、ふとこちらを向いて…。

「あ」

その顔に見覚えがあったから、びっくりした。
そこにいたのは、同じ大学に通っている、有名人だった。それも、クールで美人でコンサル志望とかいう…完璧過ぎて、近寄りがたいタイプの同級生だった。


「はい、枝豆サラダ」
「さんきゅ」

昔のことを思い出していると、元同級生の黒髪美人がサラダを取り分けてくれた。
ビールのおかわりも来たので、俺は他の元同級生たちと再び乾杯し、3杯目のビールを喉に流し込む。

30歳。
大学の同期数人での飲み会で、仁美と4年ぶりに会った。
相変わらずとっつきにくい美人で、相変わらず優しかった。

「相変わらずだな」
「和也も、何も変わってない」

俺がそう言うと、彼女もそう答え、空いている皿をてきぱきと片づけていく。

驚くほどあっさりしている。
4年前まで、恋人だったのに。


「クールな人だって思ってたから、おばあちゃんに優しくしてたの見て、びっくりした」
「別に、クールでいようと思っているわけじゃ」
「そうなの?」
「うん。…誰も話しかけてこないだけで」

おばあさんが電車に乗り、目的の駅で降りるまでを見届けた後、俺は仁美に話しかけた。
クールで美人でコンサル志望の黒髪美人は、話してみると普通の女の子だった。

「じゃあ、これからは俺が話しかけるよ。
だから、友達になろう」

そうして通学を共にするようになると、女の子らしく可愛い彼女にすぐに惚れてしまった。
彼女の方も俺に好意を持ってくれていたみたいで、やがて恋人として付き合うことになった。

しかし、出会いも突然なら別れも突然で。
26歳のある日、突然俺は、電話で別れを切り出された。

「私達、交際を続けるのは無理だと思う。
お互い、忙しすぎるし」

就職してから、互いに忙しくてほとんど会えなかった。
地方銀行の総合職として就職した俺はさっそく遠くに配置され、遠距離恋愛になった。
仁美は志望していた通りコンサルタントになった。コンサルタントは忙しく、デートに誘っても休みが取れることはほとんどなかった。

「…そう、だよなぁ」
「ごめんなさい。いつでも会える可愛い彼女じゃなくて」
「仁美?」
「和也には、きっともっと似合う子がいると思う。私みたいな女らしくない女じゃなくて、もっと可愛い…」
「やめて。それ以上、俺の好きな子の悪口言うの」
「……」
「わかった。会えないのは事実だし、仁美のこと困らせたくないから、今は別れる。
でも…俺、もっと時間作れるように頑張るから。もし、仁美にも時間ができて、また付き合ってやってもいいかなって思ったら…そのときは、連絡して」
「和也」
「俺、こう見えても諦め悪いんだ。
だから、追い風が吹くまで待ってるから」
「…」

仁美の返事を待たずに、俺は電話を切った。
彼女がどう思ったかはわからない…それでも、俺は人知れず頑張った。
ああ言わせたのは、俺のせいだ。俺が頑張れば変われる、そう信じていたかった。


それから、4年。
銀行員というのは女の子受けがいい職業らしく、よく合コンに誘われる。
本音を言えば行きたくはない。でも、彼女なし独身と分かると、どうしても強制で参加させられたりするときもある。そういうときだけ、仕方なく参加する。

でも、どんなに出会いがあったって、合コンで知り合った女の子と連絡を取り合うことはない。
俺の中にはずっと、仁美しかいないから。

「時間、できた?」

大学の同期たちとの飲み会の帰り道、駅まで歩きながら、俺は隣にいる仁美にそう尋ねた。

仁美を送っていくと言うと、気を利かせて二人きりにしてくれた。
今日も俺たちの予定が合うように調整してくれたらしい。持つべきものは友だと思った。

「忙しい。相変わらず」
「…そっか」

こんなタイミングだから、と期待したけど、返事は素っ気なかった。
密かに落ち込んでいると、仁美は「でも」と言葉を続けた。

「前よりはずっと楽になった。こうしてたまに会えるくらいには」
「じゃあ、あと必要なのは気持ちだけだ。
…どう? 俺みたいなのは」
「…本当に、待ってたの? 返事もしなかったのに、4年も…」
「仁美だけは、諦められないから」
「…」

仁美は立ち止まり、俺の顔をじっと見る。
ビルの間から、ひゅう、と風が吹いた。

「もう一度、付き合いたい。仁美にその気があるのなら」
「…私、もう30だし、美人じゃないけど…」

またそんなことを言いだす仁美を、俺は同じように止めた。

「だから、好きな子の悪口言うなって。もう4年も片思いしてる子なんだぞ」
「和也」
「ありがとう。俺が勝手に待ってたのに、会いに来てくれて」
「ううん、私こそ。…待たせてごめん。ありがとう」

もう一度ビル風が吹いたので、俺は仁美を抱き寄せて守った。
風が吹いたのは一瞬だったけど…そのまましばらく、俺は彼女を離さなかった。


半年後、仁美と一生一緒にいることを誓うための指輪を買った。
優しい彼女によく似合う、『sweet breeze』という名前の指輪を。

彼女に会いに行く途中、地下鉄でゆっくり歩くおばあさんに会った。
少し遅れると連絡を入れ、俺はおばあさんを見守る。
1本後の電車に乗り目的の駅に着くと、改札の前には長い黒髪の、最愛の人が立っていた。

sweet breeze ゆびわ言葉 ®: 優しさ

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