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ドーン、ドーン…
信濃川に打ち上がる大きな花火を、私はじっと見上げる。
2年前、ここで私と健人は、お互いに約束をした。
私は、アパレルブランドを立ち上げて起業する夢を果たすこと。
彼は、私の夢を応援し、手伝ってくれること。
仕事に勉強に、疲れ果てて帰郷した地元のお祭りで出会った彼は、私の夢の初めての協力者であり、初めての恋人。
遠距離だし、お互い忙しくてなかなか会えないけど、ずっと連絡だけは取り合っていた。
そして今日、付き合って2年の記念日でもある花火大会の日に、二人で会う約束をした。
久しぶりに会えるから、これまで気合いを入れる暇もなかった服もメイクも、今日だけはきっちり整えてきた、けど…。
ドーン、と最後に、ひときわ大きな花火が上がる。彼は来なかった。
花火が終わって、しばらく経って。
船の上の観覧席が空っぽになり、「今年は一番良いところで見れたね」と話すカップルの背中が見えなくなった頃、私はようやく歩き出した。
いつまでもここにいても、仕方ない。
そう思ったとき、後ろから「澪」と私の名前を呼ぶ、懐かしい声が聞こえた。
「仕事で遅くなって、ごめん」
健人は謝ってくれたけど、私はどうしても素直になれない。
「仕事って…。私だって忙しい中無理やり時間作ったのに。健人は私との約束なんて、どうでもいいの?」
「よくないよ、だからこうして」
「嘘」
「嘘じゃない」
私の言葉を遮って、彼は私に小さな箱を差し出した。
蓋を開けると、箱の中には綺麗なカーブを描いた美しい指輪が収まっている。
「どうしたら澪の夢を手伝えるか、幸せにできるか、ずっと考えてた。
起業もそうだし、それ以外でも、澪をずっと支えて生きていきたい。そのために俺ができることって、資金をいっぱい稼いでおくことだって思って…だから頑張って、いっぱい働いた。ようやく結婚資金も貯まった」
「…!」
「でも、だからって今の約束守れなかったら、意味ないよな。せっかく澪が忙しい中時間を作ってくれたのに、本当にごめん」
…ああ、私、何にもわかってなかった。
健人は約束をちゃんと覚えててくれたのに、そのために頑張ってくれてたのに、私は彼に酷いことを言ってしまった。
「…ううん、私の方こそ、ごめんなさい」
健人に謝ると、彼は「いや、俺も悪かったから」と首を振った後、仲直りの証に、私の薬指に指輪を通してくれた。
それから私達は、2年前と同じこの場所で、新しい約束をした。
『これからは、ちゃんとお互いの気持ちを確かめあって進むこと。しっかり手をつないで、ふたりで同じ方向に向かって歩いていくこと。』
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