Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
俺の彼女、明紀(あき)はヤバイ。
ぱっと見そんな風には見えないくらい華奢で、口を開かなければ美人なのに、何でも自分で決めて口を開いてバンバンこなしていく。
職場ではハイパー総務と呼ばれ、地味な職種なのに社長にまで一目置かれている。
反面、俺は。
光(ひかる)という名前なのに地味をモットーに生きていて、今もしがないサラリーマン。
下積みと言われやりたくなかった営業の仕事を渋々こなし、成績は中の中。
仕事のできるカッコイイ美人と、地味な男。
あまりに対照的だし、こんな男のどこに惚れる要素があるのか、自分でもわからない。
それなのに、彼女は高校生の時から何故かずっと、俺との結婚を夢見て生きているらしい。
だから彼女はヤバイ。
高校1年の秋。
突然告白された俺は、それまで彼女いない歴=年齢であったこともあり、深く考えずにOKした。
何故好かれているのかは正直よくわからなかったが、それでも当時から可愛かった彼女に告白されたことは嬉しかった。
明紀はすごくパワフルで、積極的だった。
付き合って1年の記念日、明紀は9年後、付き合って10年の記念日に俺と結婚したいと言った。
高校2年生だった俺はこの時も、深く考えることなく「そうだね」と返事をした。
その次の年、高校3年生の明紀は、短大に行き会計を学ぶことにした、と俺に報告した。理由を聞くと、結婚後家庭に入っても使えそうだから、と言う。俺はだんだん、本気で彼女は付き合って10年で結婚するつもりなんだ、と思い始めた。
更に5年目の記念日。5年後に向けて、婚約指輪を見に行った。
ここまで来てしまっては、さすがにもう疑いようがなかった。
明紀は短大卒業後就職したが、そこで他の大人の男に目移りすることも一切なく、ただ10年目を目標に働いていた。
どうしてそこまで俺との結婚にこだわるのか、不思議で仕方ない。
でも、そんな効率的なのか不器用なのかよくわからない彼女の行動が、俺は愛おしくなりつつあった。
そして、ついに10年目の記念日がやってきた。
俺は前もって有給を取得し、指輪を買い、同じく有給を取った彼女をデートスポットとしても有名な遊園地に連れていく。
有名どころのアトラクションを押さえつつも、間に空いているところ、少し休めるところ、ホラー系なんかも巡る。
敵なしのように見える明紀は意外にも怖いものが苦手で、終始俺の腕に掴まっていた。
そうしている間に、日が暮れ、夜のイベントが始まりだした。
しかしそこには行かず、俺はライトアップされた城の横にあるベンチに明紀を連れ出す。
伝える言葉は、何年も前から決まっていた。
「明紀」
俺はひざまずき、名前を呼ぶ。
彼女は既に、目から涙を溢れさせていた。
「約束通り、俺と結婚しよう」
5年前に一緒に見た指輪、『Luccicare』を彼女に差し出す。
ダイヤモンドが美しく輝くその指輪を初めて見た時、彼女はキラキラしてて素敵だなぁ、と言っていた。
10年前からずっと、キラキラ輝き続ける彼女に相応しい指輪だ。
「…ありがとう。10年間、ほんとにありがとう」
俺の言葉に、明紀は涙を隠すことも止めることもせず、ただ声を上げて泣いた。
その泣き声の間に、たくさんの思い出と感謝の言葉が詰まっていた。
告白を受けてくれてありがとう。
いつも見守っててくれてありがとう。
行きたいところに連れて行ってくれてありがとう。
私がしたかった理想のデートをさせてくれてありがとう。
指輪のこと、覚えていてくれてありがとう。
10年間、私に付き合ってくれてありがとう。
涙の止まらない彼女を抱きとめ、背中を優しく叩きながら俺も「ありがとう」と返事をする。
10年間、ずっと俺の明かりでいてくれてありがとう。
そう伝えると、彼女は何言ってるの、と言って、泣きながら頭を横に振った。
「光がいたから、私はずっと輝いていられたんだよ」
彼女の不器用で真っ直ぐな愛情が眩しくて、愛しくて。
そっか、とだけ俺は答えて、少しだけ、彼女を守る腕に力を込めた。
あなたのお近くにある
アフラックスの店舗をぜひお探しください。