着物に用いられる美しい文様

色打掛に用いられる柄として、季節を表した柄をよく見かけます。でも、季節を問わずに用いられる伝統的な柄もあるんです。「吉祥文様」と「有職文様」です。今回の記事では、
「めでたい印」として愛されてきた吉祥文様についてご紹介します。

吉祥文様の定番モチーフ

吉祥文様とは、「良い兆し」「めでたい印」とされる文様のことで、定番のモチーフがいくつか存在します。

宝尽くし

帯や着物の柄として、「福徳を呼ぶ」とされる文様を散らしたものです。如意宝珠(願いのかなう宝のたま)、宝やく(かぎ)、打ち出の小槌、金のう(金銭を入れる袋)、隠れ蓑(かくれみの)、隠れ笠、丁子(ちょうじ)、宝剣、宝輪、法螺などが描かれます。宝尽くしが描かれるデザインは様々で、この中から幾つか描かれるものもあれば、ひとつのモチーフだけ描かれる場合もあります。

四君子

蘭・竹・菊・梅の４つの模様が描かれた吉祥文様を四君子（しくんし）と言います。中国で言う「徳が高く、学識に優れ、品位のある人」のことを君子と言います。君子の特性を持つ、徳のある草木を４つ揃えて四君子と呼ばれるそうです。

動物

鶴・亀・鳳凰・鴛鴦などの縁起の良い動物も吉祥文様では描かれることが多いです。鶴は一度パートナーを決めると一生添い遂げるという性質から、夫婦としての絆の強さにうたわれることが多い動物です。亀は長寿の象徴として昔から愛されている動物です。そして鳳凰は、昔から平和の象徴とされてきた縁起の良い伝説上の生き物。鴛鴦（おしどり）は、おしどり夫婦という言葉があるほど、夫婦仲がとても良い動物です。

文様やデザインに込められた「想い」

色打掛を選ぶときには、色味や第一印象で選ぶことはもちろんですが、迷ってしまうこともあるかと思います。今回紹介したような「柄」に注目することで、これと思える素敵な和装に出会えるかもしれません。

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