Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
「僕達もしようか、結婚」
そう言われたのは、知人の結婚式の帰りの車の中だった。
「え?」
「もういい年だし、いつでも準備はできてる。
それに…今日の式を見て、改めて、君を幸せにしたいと思ったんだ」
「隼人さん」
「君はどう?」
「私は…」
大歓迎だ。
むしろ大歓迎すぎて、私でいいのか疑ってしまっている。
「本当に…いいんですか」
「もちろん。君が妻になってくれるなら嬉しい」
「わ…わかりました。よろしくお願いします…」
こんな形で結婚することになるなんて、思ってもみなかった。
でも、尊敬する隼人さんがそう言ってくれて、嬉しかった。
「…これ、どうしたんですか、一体」
翌日、仕事帰りに隼人さんの家に寄ると、テーブルの上に結婚情報誌やパンフレットが山のように積まれていた。
「買えるだけ集めてみたんだ。
結婚するにあたって、具体的にどうすればいいのかわからないから」
「はぁ…」
「…それでさ。僕、指輪と同時にプロポーズするのを忘れちゃったんだけど。婚約指輪って、今から贈ってもいいのかな?」
相手が贈ろうとしている張本人なのも気にせず、隼人さんはごく真面目にそう尋ねてくる。
頭が良くて優秀な研究者なのに、隼人さんはこういう時、どこか抜けている。
このギャップも面白くて、好きだけれど。
「…タイミング的には今からでもいいとは思いますけど。
そもそも私、婚約指輪不要派なので気にしなくていいですよ」
「え、どうして?
女の子の幸せといえば婚約指輪、箱パカプロポーズって書いてあったけど…」
「それは全ての女の子の幸せとは限らないんです。私はプロポーズしてもらえただけで充分嬉しいですから」
「なるほど」
「それに、婚約指輪って普段着けづらいから…だからどちらかというと、ちょっと凝ったおしゃれな結婚指輪なんかがあると嬉しいなって思います。
あ、買ってほしいって意味じゃないんですけど」
「わかった。じゃあ、おしゃれで凝った結婚指輪を探そう」
私の最後の言葉は無視して、隼人さんは早速指輪を探しはじめる。
ブライダルリング専門の雑誌なんてはじめて見た、と思いながら私も雑誌をパラパラとめくる。しかし、載っているものは王道のブランドやデザインばかりで、いまいちピンと来るものがない。
結局、お店やネットでも探してみようということになり、この日はお開きとなった…でも、彼はその後も一晩中、結婚情報誌を読み漁っていたらしい。
次の日から、親への挨拶の時の格好は…結婚式場を決める時のポイントは…なんて色々言ってくるようになった。
鵜呑みにしすぎるのは良くないと思うけど、とにかく色々考えてくれているんだな、というのが伝わってきて嬉しかった。
尊敬する隼人さんとこうして結婚のことを話しているなんて、あの頃は信じられなかったなぁ。
隼人さんと出会ったのは、オーガニック食品をテーマとしたイベントだった。
私は大学時代からオーガニック食品に興味があり、今勤めているのもオーガニック食品の輸入販売会社だ。
だから、仕事としても、個人としてもこのイベントに参加することを楽しみにしていた。
一方、隼人さんは、食品研究者としてこのイベントに参加していた。
講演のテーマは”おいしい×オーガニック”。
「おいしい」とは何か、そして「おいしい」と「オーガニック」にはどういう関係があるのかを科学的に考えるという面白い講演だった。
私は大学時代、留学先のカナダでオーガニック食品に出会った時、そのおいしさに感動した。
でもその「おいしい」がどういう「おいしい」なのか、なんて考えたことがなかった。
説明の仕方も最後まで面白くて、気づけば講演が終わっていた。
感謝の気持ちを伝えようと、私は講演終わりの隼人さんを訪ねる。
でも、壇上から降りた隼人さんは、さっきまでとは打って変わってぐったりした様子で椅子に座っていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ…。大丈夫です、最近ちょっと疲れてて」
聞けば、最近は研究が忙しくて、あまりちゃんと食事を摂っていなかったのだという。
私は慌てて自社のブースに行き、オーガニックの栄養補給ゼリーを自腹で買って隼人さんの元に持っていった。
「どうかお身体に気をつけてくださいね」
「すみません、ありがとうございます…。食品研究者が栄養失調とか笑えないですもんね、今後は気をつけます」
そんな出会いがあってから、隼人さんは私の勤める会社の商品を購入してくれるようになった。
別のイベントで会う機会もあり、その時は最近できたオーガニックレストランの話になった。
一緒にレストランに行って、プライベートなことも色々話すようになって…色々な偶然が重なって、交際することになり、結婚することになった。
だから、今でも思うのだ。
もしあの時、差し入れする商品がなかったら。
レストランがオープンしていなかったら。
知人の結婚式がなかったら…。
私達はきっと、交際することも、結婚することもなかったんだろうな、と。
でも、そのいくつもの偶然が私達をここまで導いてくれた。
本当に不思議で、幸福な偶然だと思う。
「…ふふふ」
隼人さんの部屋で指輪を探しながら思い出し笑いをしていると、不意に『笑顔の源』という言葉が目に入った。
「『breth of spring』…?」
『笑顔の源』というゆびわ言葉ついているその指輪は、ありふれたキラキラした指輪ではなかった。
一見すると、結婚指輪には思えないほどおしゃれで…でも、着け心地が良さそうな形の、美しい彫刻が刻まれた指輪だった。
「素敵…」
「どれ?」
私がそう呟いたのを聞いて、隣で一緒に指輪を探していた隼人さんが身を乗り出してきた。
「これなんですけど」
「綺麗だね、こういうのも」
「ですよね…!」
「君に似合いそう」
隼人さんはどこまでも私の好みを優先してくれる。
それは嬉しいけど、結婚指輪は私だけのものじゃない。
「でも、二人でつけるものなんだから、二人とも似合うものじゃないと」
だからそう言うと、隼人さんは「そうだね。僕もつけてみたい」と言った。
私だけを優先してくれたわけじゃなかったみたいだ。良かった、と思いながら、予約をしてお店に指輪を見に行った。
「似合うかな?」
「似合います、すごく。私はどうですか?」
「うん。思ってたとおりだ」
『breth of spring』は最初の印象通り、とても着け心地の良い指輪だった。
二人で試着をしながら、互いに似合うと言い合い、笑う。
素敵な指輪をつけて、自然と笑みがこぼれる相手と、ずっと一緒に穏やかに暮らす。
そんな願いが叶うのだから…やっぱり結婚って、とても幸せなことだと思う。
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