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「ただいまー!」
「ニャーン」
私が家に帰ると、元気な茶トラ猫の『トラ』がいつものように玄関まで迎えに来た。
いつもならここで足元にすり寄ってくる…のだけれど、今日は2割増しの声量でただいまを言ったせいか、すぐにリビングの奥の方に走り去ってしまう。
「ちょっと、トラー!」
トラを追いかけてリビングに行くと、ソファーの上からトラとは違う白い猫が私の方をじっと見つめてきた。
メインクーンの『ララ』だ。大人しい子で、いつも私を見守ってくれる彼女はもう12歳になるけど、ずっと変わらず元気でいてくれる。
「ララ、ただいまー!」
12年の付き合いになる彼女が今日は一段と愛しくて、抱きつこうとする…が、こちらも逃げられてしまった。
すると、トラが逃げて行った奥の部屋から、猫ではなく人間が現れた。
「おかえり、優。
…どしたの、そんな興奮して」
トラの飼い主である智晴(ともはる)は、同棲中の恋人だ。
勤め先の塾で講師をしている彼は、いつもこの時間は忙しい。
でも、今日は久しぶりの休日なので、部屋着でゆったりくつろいでいた。
「あのね、すごく可愛い指輪が」
「指輪?」
「うん、えっと、猫の形をしていて」
「…ちょっと待って、ストップ、優。
話の流れがわからないんだけど…今日は、中学の同窓会に行ってたんだよね?」
「うん、そう! それで…」
急いで話そうとする私を、智晴は冷静に押しとどめる。
「順番に話そう。そこで会った誰かが、指輪をしてたってこと?」
「うん。えっと、ほら。話してた友達が来てたの。その子が着けてたんだ」
順番に、落ち着いて…そう言われ、私は少しずつ、今日の出来事を振り返った。
卒業して10年が経ち、初めて開かれた中学の同窓会。
もしも会えるなら、彼女に…りっちゃんに会いたい。そんな思いから、私は同窓会に出席した。
小学校卒業と同時に別の町に引っ越した私は、慣れない土地で中学生になった。
人と話すのが苦手だった私は、知っている人が誰もいない中学校になかなか馴染めず、友達ができなかった。
そんな私に、最初に話しかけてくれた…中学時代の一番の親友が、りっちゃんだった。
中学卒業と同時にまた遠いところに引っ越してしまったから、彼女との思い出は3年間しかない。
高校に進学してからもメールでやり取りはしていたけど、忙しくなって次第に連絡が減り、あるとき携帯電話をなくしてアドレス帳が消えてしまったのをきっかけに連絡ができなくなってしまった。
それ以来、彼女が今どうしているのか、ずっと気になっていた。
「…優?」
どの席に座ろうかきょろきょろしていると、聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
「…! りっちゃん!」
会いたかった、りっちゃんだった。
すごく綺麗になってたけど、彼女がりっちゃんであることはすぐに分かった。
何も変わらなかったからだ。
無類の猫好きで、服もアクセサリーも猫で固めてくるところは。
「わ、ほんとに優だ! 会いたかったぁ…!
メールできなくなっちゃってたから」
「ごめん…! 私も会いたかったよー!」
私達は再会を喜び合いながら、連絡が取れなくなっていた間の話で盛り上がった。
一番面白かったのは、りっちゃんも私も、猫とできるだけ長く一緒にいるために週休2日で残業のない職場に就職したことだ。
2人とも猫が大好きで、猫を飼っているのをきっかけに仲良くなった。お互いに飼っている猫の自慢をし合うのが、私達のコミュニケーションだった。
「そういえば、クルルは…」
だから、今日も何気なく昔りっちゃんが飼っていた猫の話をしようとした。
…そして、少しだけ後悔した。
「…それがね、優と連絡が取れなくなって少しした後に、天国に行っちゃって」
「…! …そっか…」
あの当時で、クルルはもう15歳だった。
だから、10年も経てば天国に行ってしまっているのが普通だ。それでも、クルルが亡くなってしまったことは悲しかった。
「…でもね、また新しい子をお迎えしたの。ネクっていう名前で、世界一可愛い、大事な大事なうちの王子様」
でもりっちゃんはすぐにそう言って、今飼っている猫の写真を見せてくれた。
やんちゃそうだけど、凜々しくて格好良い顔立ちをしている。
良かった…。昔と同じように、楽しそうに猫の話をする彼女が見られて。
「それでね…」
りっちゃんが続けて話をしようとしたとき、彼女の指に、ふと目が止まった。
猫の形の指輪をしている。それも、左手の薬指に。
「あれ、りっちゃん、その指輪」
「あ、これ? ええと…実は、結婚したんだ」
「え、じゃあ、それ、結婚指輪なの?」
「婚約指輪と結婚指輪のセットリング。
『N.E.K.O.』っていうリングで、2つ合わせるとこういう形に…」
「そ、そんなに可愛い指輪があるなんて!」
りっちゃんが結婚したのも驚きだけど、それ以上に驚いたのがりっちゃんが着けていた指輪だった。
猫モチーフの婚約指輪なんて最高すぎる!
手にダイヤを握ってる…。可愛い。しかも、結婚指輪とセットにすると猫の顔の形になる!
…ああ、こんなに可愛い指輪があったなんて。
「ね、可愛いよね! 私も一目惚れしてすぐ買いに行っちゃった…!
AFFLUXっていうブランドの指輪で…」
早速調べてみると、『N.E.K.O.』の指輪はすぐに見つかった。しかも、他にも『N.E.K.O.2』という指輪もある。
「2が出たんだ! 私が見たときはなかったのに」
『N.E.K.O.2』のページを見て、りっちゃんがそう言った。
どうやら、『N.E.K.O.2』の方は最近出たばかりらしい。
『N.E.K.O.2』はセットで揃えると、左右に配置された2匹の猫が、それぞれ小さなダイヤモンドを手で掴んでいるようなデザインになっている。
うちには猫が2匹いるし、これならりっちゃんとも被らないし、丁度いいのでは…!
考え始めると、トキメキが止まらなかった。
「…と、いうわけで」
「なるほど…」
これまでのいきさつを話し、2人で『N.E.K.O.2』のページを見る。
「可愛い」
「でしょ!?」
「うん。でも…。
まさか、優の方から指輪が欲しいって言ってくるとは思わなかった」
「…あっ」
そうだ、何気なく紹介したけどこれって結婚指輪で、それを彼氏に見せているっていうことは、ええと、その…。
「…あ、えっと、そ、そういうつもりじゃ」
「指輪が欲しいってことは、結婚したいってこと?」
「いや、えっと」
「…これ買ったら、結婚してくれる?」
「へ?」
思わぬ言葉に、一瞬頭がパニックになる。
もしかして…、いや、もしかしなくてもこれって、プロポーズ?
そう考えたところで我に返り、私は慌てて返事をした。
返事といっても、こくこくと頷くことしかできなかったけど。
「よし、決まり」
「…こ、こんな風に結婚って決めちゃっていいんだっけ?」
「いいんだよ。俺もタイミング見計らってたから。
猫がそのきっかけを運んでくれたんだ」
な?と彼がララを見ると、ララは尻尾をゆらゆらさせながら私の膝の上に乗ってきた。
私がララを撫でていると、遊んでくれると思ったのか、トラも足下にすり寄ってくる。
2匹の猫に太鼓判を押され…その日私は、突然彼と結婚することになった。
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