Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
「ふぅ…そろそろ帰るか」
オフィスで一人そう呟いた俺は、ノートPCの画面をパタンと閉じ、鞄にしまう。
まだまだやることはあるけど、明日使う資料作りも一段落したし、今日はもう帰ろう。
そうして俺は、今日も他に誰も残っていないオフィスの電気を消し、鍵を閉めてビルを出た。
会社の最寄り駅に着く頃には、時刻は22時を回っていた。
こんな時間だというのに、駅のホームには飲み帰りではなさそうな、疲れた顔をしたサラリーマンをちらほら見かける。
彼らも俺と同じように、遅くまで残業をしていたんだろうか。
人の事は言えないが、みんな働き過ぎだと思う。
「…あれ、そういえば、あのメールの返信って送ってたっけ」
他人に対して働き過ぎだと思った直後に仕事のことを思い出すんだから、本当に人の事は言えないと思う。
電車で座席を確保すると、俺はさっき鞄にしまったノートPCを再び開き、メールボックスを確認する。
思い出して良かった。取引先に送信し忘れていたメールがいくつかあったので、ささっとメールを送る。
…これで今日は、もう大丈夫だろう。
頭を仕事モードからプライベートモードに切り替えると、途端に疲労と眠気が襲ってきた。
今日は特に疲れたな…。
うたた寝しそうになったけど、もうすぐ自宅の最寄り駅だったので我慢する。
そんな俺とは対照的に、向かいに座っていた40代くらいのおじさんは、完全に船を漕いでいた。
最寄り駅の改札を出て地上に上がると、見知った風景の中に夜の匂いがした。
ひゅう、と吹く風は冷たい。昼間は暑かったけど、夜になるとやっぱりもう秋なんだなあ、と思う。
最寄り駅に着くと、まだ15分はかかるのにすぐに我が家が恋しくなってしまう。
2LDKのあまり広くない賃貸マンションには、妻と、あと3ヶ月で生まれる子どもがいる。
子どもが生まれたらますます忙しくなるし、お金もかかるし、家も手狭になるだろう。
将来のためにも、今頑張って働いて、貯金しなきゃな…。
「…お。月だ」
考えながらふと、歩く道が明るいことに気づき空を見上げると、大きな月が浮かんでいた。
月明かりを浴びて、薬指の指輪が光る。
「…この指輪の名前も、『Moon』だったな」
指輪を見ながら、俺はそう呟く。
シンプルだけど綺麗で、今日の満月みたいにまんまるな指輪だ。
空に浮かぶ月と、俺と妻を結ぶ大切な結婚指輪。
二つの月は明るく優しく、俺の帰る道を照らしてくれる。
「…うん、とりあえず、帰ろう」
考えるべきことは色々あるけど、今はとりあえず家に帰りたい。
そう思い足早に歩くと、やがてマンションの明かりが見えてきた。
自宅の部屋の電気は、ついている。
まずはそのことにほっとしつつ、エレベーターに乗る。
今日は色々なことがあった。
取引先からの急な呼び出し、スケジュールの変更、調整の難しい案件、上の更に上からの無茶ぶりとしか思えないお達し。
そしてそれに、対応するための残業。
本当に、今日みたいな日が続くと仕事なんて放り出してしまいたくなる。
「ただいま」
それでも放り出さないのは、家族がいるからだ。
高給取りでもない平凡なサラリーマンの俺でもいいと言ってくれて、愛してくれる妻が、毎晩玄関で俺を出迎えてくれるからだ。
「おかえり」
どれだけ辛くても頑張れる。
愛する人からの、この一言があれば。
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