Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
半年で結婚なんて、さすがにまだ早いかな。
金曜日の午後7時。退勤した瞬間に仕事のことを何もかも忘れ、私は明日のデートと、相手との将来について想像する。
結婚の話は、まだ一度もしたことがない。彼の家に泊まったとき、いつか同棲したいね、なんて話をしたことはあるけど…職場までの通勤のことを考えると、なかなか引っ越しにも踏み切れない。
「……」
駅に向かう途中、ジュエリーショップが目に止まる。
結婚のことなんて考えていたからだろうか。
まだ早い、そう思っていたはずなのに、気づけば店の入口に立っていた。
「…見るだけなら、いいよね?」
誰が聞いているわけでもないのに言い訳をしながら、私は入口のドアをそっと開く。
するとそこには何故か、私が明日会う予定の人がいた。
「徹…?」
「…! 亜美」
名前を呼ぶと、彼も私に気がつき、名前を呼んでくれる。
「どうして、ここに?」
偶然の出来事に、思わずそう尋ねると…彼は驚いて二、三度瞬きをした。
どうしたんだろう、と思っていると、彼は少し微笑んで、変な台詞を口にした。
「あなたに会えそうな気がしたから」
「…!」
端から聞くと変な台詞だけど、私にはその意味がはっきりと分かった。
半年前と同じだ。
半年前、私と彼がとあるケーキ屋さんで再会したとき…今と全く同じ言葉を私達は言い合ったのだった。
仕事中にも関わらずそのケーキ屋さんに行ったのは、ほんの少しだけストレスが溜まっていたからだった。
息が詰まるような事務の仕事に疲れていた私は、外での用事を頼まれたとき、ほんの少し遠回りするくらいならいいよね、と言い訳してケーキ屋さんに立ち寄った。
そうしたら、丁度そこに、取引先の営業マンである彼がいた。
慌てて逃げようとしたら引きとめられて、理由を聞かれた。
ごまかす方法も思いつかず、私が恐る恐る『実は、仕事をサボってここに来てるので、内緒にしてください…』と小声で言うと、彼は驚いて目を丸くした後、今度は私が驚くようなことを言ったのだった。
『実は、僕もそうなんです。内緒にしておいてくださいね』
実は彼もまた、営業の仕事に疲れ、客先へのお土産を買う振りをしてここに来ていた…そのことを知った私は、初対面にも関わらず、彼に職場での色々な出来事を話して、仲良くなった。
その後別れた後も、彼のことがずっと気になっていて…その日の終業後、私はもう一度ケーキ屋さんに向かった。
いるわけないだろうけど、それでも、もう一度会えたら…そんな淡い期待と共に向かったケーキ屋さんの前に、私を待つ彼の姿があったのだった。
「でも、まさか、いるなんて思わなかった」
あの日をもう一度繰り返すみたいに、私は同じ言葉を続ける。
「なんだか、待ち合わせをしたみたいだね。
…あの日と同じように」
徹は半年前と同じように微笑み、「まだ早いかなって思ったんだけど、指輪が見たくてここに来たんだ」と言って、試着用の指輪を私に見せた。
「Gateau d’amour。『運命の恋』っていうゆびわ言葉の指輪なんだって。
…試しに、つけてみる?」
「…うん」
イチゴの乗ったケーキみたいに可愛いピンクゴールドの指輪が、私の指を通る。
サイズを確認したわけでもないのに、その指輪はぴったりとはまった。
でも、私はそのことを不思議には思わなかった。
「なんとなく、ぴったりなような気がした」
「どうして?」
「だって私たち、運命の恋をしているから」
大げさじゃなくて、本当にそう思うんだ。
仕事に追われるだけの毎日の中で、まさかこんなに素敵な人との縁があるなんて思わなかった。
きっと運命が、私と彼を出会わせてくれたんだと思う。
「そうだね」
私の言葉に、徹も頷いた。
「僕もそう思う。会ったばかりだったのに、もう一度会いたいって心から思った人も、実際に会えた人も、初めてだったから」
「徹…」
「きっと今がタイミングだと思うから、言うね。
亜美、僕と結婚してほしい」
「…うん」
半年で結婚なんて早いって思ってたけど、徹の言葉を聞いたとき、そんな気持ちが全部吹き飛んでしまった。
同じタイミングで結婚を考えて、指輪を見に来た私達なんだから、早すぎることなんてない。
私達の気持ちが一つになるとき。
運命に導かれたときが、いつだってベストタイミングなんだ。
「今日、ここで会えて良かった」
「うん。私も」
薬指に収まる”運命の恋”を見つめながら、私は今日のこの日を、めいっぱい神様に感謝した。
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