Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
深夜3時。雑誌の〆切をやっつけて帰宅して、職場の先輩ながら気心の知れた友人である高史と飲んだ。仕事の愚痴を肴にしばらく盛り上がったけど、3本目の缶ビールを飲み終えた頃、今日は珍しく彼の方が先に酔い潰れて眠ってしまった。
高史にタオルケットを被せて、眠れない私はパソコンのメールチェックをする。夜中なのに、早くも編集長から「次の特集テーマは『結婚』にする」とメールが来ていた。
「結婚、かぁ」
高史とは5年間同棲している。でも、結婚の話が出たことは一度もない。
なんだかんだ言っても今は仕事が楽しいし、お互い忙しいし、何より、私達には恋人という言葉は似合わない。
共に〆切という難敵と戦う、気心の知れた戦友…私達の関係を言葉にするなら、それが一番適切だと思う。
だから、結婚式場やジュエリーショップについて検索するのはこれが初めて。調べてみると、最近は婚約指輪にもいろんな種類があることがわかる。
「ほー、佐倉古乃美さんのとこの次の特集は、結婚ですか」
「わ、びっくりした!」
ふと横を向くと、いつの間にか目覚めた高史が隣にいて、パソコンの画面を覗き込んでいた。彼は私の手からマウスを奪い、勝手に指輪の画像を拡大しながら「この指輪、いいなあ」などと呟いている。
「ちょっと、返してよ!」
「この指輪どう?佐倉だけに、cherryってやつ」
「どうって…これ、婚約指輪なんだけど」
「知ってるよ。そう言えばあげてなかったなって思って」
「へ?」
「ずっと隣にいるんだし、そろそろ結婚しない?」
突然の、ムードも何もあったもんじゃないプロポーズ。
彼の口から結婚なんて言葉を聞くとは思わなくて、びっくりした。
「やだ?」
「嫌じゃないけど…」
「よし、決まり!」
彼は私の返事を聞くなり、ジュエリーショップを予約して、式場を調べて、新婚旅行はここがいいとか言い出して…。
急すぎる展開に私が戸惑っていると、高史は思い出したように一言付け加えた。
「そういえば、古乃美は俺のこと戦友って呼ぶけどさ。
俺はずっと、古乃美のこと、戦友じゃなくて恋人だって思ってたからね?」
今度こそびっくりして、声が出なかった。
…ああ、近すぎて意識してなかったのは、私の方だったのか。
意外だったけど、なんだかくすぐったくて、嬉しい。
「…そっか」
私はどうにかそれだけ返事をして、隣の彼に体を預けた。
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