Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
「おお、すげー…」
行きたいところがあるから一緒に行こう、と誘ったデート当日、恋人の結衣(ゆい)を家まで迎えに行くと、駐車場に真っ赤なスポーツカーが停まっていた。
スポーツカーにはそこまで詳しくない俺でもわかる有名メーカーの最新モデルであるその車は、洗練されたフォルムと圧倒的な乗りやすさで発売当時大きな話題になっていた車だ。当然、値段もそれなりにする。
「いいでしょ、これ」
俺が車に見とれていると、家の中から出てきた結衣が開口一番にそう言った。
「ああ、ガチでかっけー。…ついに、買ったんだな」
「うん、やっとお金貯まったから」
せっかくだからこれに乗って行こうよ、と言われたので俺は頷き助手席に座った。
排気音を鳴らし、車が発進する。
「なあ、いつ買ったんだよ、これ」
「ちょうど昨日納車だったんだ。だから彰(あきら)に見せて驚かせようと思って」
「マジでびびったわ、買ったなんて聞いてなかったし…あ、次の信号左ね」
目的地まで案内しながら、俺は素直に感想を言う。
それから…結衣の様子を見る限り聞くまでもなさそうだけど、一応気になっていたことも聞いてみる。
「もう、親父さんは乗せた?」
「うん、めっちゃ喜んでくれた。買ってよかったあ」
ハンドルを動かしながら、心から幸せそうに笑う結衣の横顔を見て、俺は彼女の努力が報われて本当に良かったと思った。
『スポーツカーに乗りたいっていう、お父さんの夢を叶えてあげたいんだ』
俺と同じ長距離トラックドライバーの仕事をしている結衣に初めて会った時、俺は彼女に、どうしてドライバーの中でも特に辛い長距離の仕事を頑張るのかを聞いた。
その答えが、いっぱい稼いで父の夢を叶えたいからだということを聞いて、俺は衝撃を受けた。
車好きでトラックのドライバーをしていた結衣の父親は、数年前に事故で足を失い、それ以来車の運転ができなくなってしまったそうだ。
『でも、運転ができなくても、助手席に乗せることはできるから。乗せてあげたいと思ってさ』
深夜のパーキングエリアで、1日1本に抑えているという煙草を吹かしながら、彼女はそう言って笑った。
同じ仕事をしているのに、その言葉はどこまでも純粋で親思いで、親に反抗して家を飛び出した俺とは正反対だった。
だから眩しくて辛かったけど、どこかで彼女のように、素直に親と向き合いたい俺もいて…。
そのことを結衣に話すと、伝えたいことがあるならちゃんと伝えた方がいいと言われて、俺はずっと連絡を絶っていた親に連絡を取ることにした。
結衣は言いたいことを言い、やりたいことをやり、叶えたい夢を叶える、と決めていつも行動していた。
芯が強くて、かっこよくて、何でも相談できるし、信頼できる…そんな結衣のことを、俺はいつの間にか好きになっていた。
その結衣が、ついに夢を叶え、今、父だけでなく自分の憧れでもあったスポーツカーに乗って笑っている。
そのことが、俺は自分の夢が叶ったみたいに嬉しかった。
「行きたいところって、ここ?」
駐車場に車を停めた結衣は、目的地であるジュエリーショップを見て目を見開いた。
「ああ。俺も金貯めたから、結衣になんかあげたいって思ったんだけど…指輪しか思いつかなくて。だから買いに来た」
偶然だけど、ちょうど結衣の夢も叶ったし、プレゼントしたいんだ。
俺はこれまでの感謝や色々な気持ちを込めて、結衣に伝えたいことと、やりたいこと、叶えたい夢を話す。
「結衣と結婚したい。俺、これからもずっと、結衣と一緒にいたいから。結婚して、夫婦になって、そんで二人で、いろんなとこに車で行ったりしたいから」
「本気?」
「…じゃなきゃ、こんな恥ずかしい台詞言わねーよ」
「そっか。…じゃあ、わかった」
結衣は俺のプロポーズをあっさりと受け入れ、「行こう」と俺の手を引く。
「彰は、ちゃんと過去と向き合って、自分を変えられる人だし。
それに…女らしくない私のこと、彰はちゃんと女として見てくれるし」
だから、彰となら結婚してもいいって思ったの。
…そんな真っ直ぐで、嬉しい言葉を付け足して。
ジュエリーショップでは、「crystal love」という指輪を買うことにした。
見た目のかっこよさも気に入ったけど…「愛の結晶」というゆびわ言葉が特に気に入ったから。
結衣が買ったスポーツカーみたいな想いの結晶を、俺も結衣にあげたかったから。
「いいよな、これ」
「うん。これにしよう。かっこいいし」
指輪を見ながらそう言う結衣の、結晶のように純粋な笑顔が、俺はやっぱり愛しいと思った。
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