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「ねえ、私、この指輪が欲しい」
ネットで偶然見つけたその指輪を眩しく感じた私は、婚約者である康介にそう切り出した。
理由を聞かれ、説明する。
「思い出したの。初めて康介と出会った時の、あの眩しさを」
3年前、26歳の初夏のこと。
勤めている不動産会社の繁忙期が終わり、やっと訪れた休日に、私はしばらく切っていなかった髪を切ろうと急に思い立った。
自分自身のことを、おしゃれに気を使うほどの美人でもないと思っていた。だから、服にも髪にも、美容室にもこだわりはなかった。
どこでも良かったけど、当然ながら人気の美容室は予約なしでは入れない。
でも、思い立ったからには今日切りたいな…そう思い色々探して見つかったのが、康介の実家であり、彼が働く美容室だった。
いかにも個人経営という感じの、小さな美容室だった。
カット台は3台、シャンプー台は1台しかない。
男性美容師(康介)に「どんな髪型にしますか?」と聞かれたけど、特に思いつかなくて「どんな髪型が合うと思いますか?」と逆に聞き返してしまった。
康介は少し考えた後、「今のロングもいいけど、ミディアムくらいの長さでも似合うかもしれません」と答えた。
「じゃあ、それで」
特にこだわりのない私は、似合うらしい長さ・髪型にカットしてもらうことにした。
「……」
髪を切ってもらう間の30分。
私はこの時間に必要以上に話しかけられるのが苦手だった。
でも、この店では小さくBGMが流れるだけで、美容師さん(彼一人しかいない)も必要以上に話しかけてこなかった。
静かで居心地の良い店だな、と思った。
「終わりました。どうですか?」
「…! わぁ…!」
終わった後、鏡を見てびっくりした。
もっさりしていた髪が、短く軽くなって、すっきりして…すごく可愛くなってる。
「すごい、可愛いです…! ありがとうございます!」
ヘアスタイルのせいなのか、顔は変わらないのに自分が美人に見えてくる。
「髪型ひとつでこんなに変わるんですね!
本当に、ありがとうございます…!」
何度もお礼を言うと、康介は少し照れたように「…こちらこそ、ありがとうございます」と言った。
私は鏡を見ながら、髪型って大事なんだな、美容師さんってすごいんだな、と感動していた。
それから、康介の店で髪を切ってもらうのが私の楽しみになった。
切ってもらう最中、色々質問をした。髪の切り方や手入れの仕方、おすすめの髪型、それから、そもそも髪を切るときにどういうことを考えながら切るのか。
「ちゃんと揃うように、とか、失敗しないように、満足してもらえるように…みたいなのはもちろんあるけど、切る前より可愛く、格好よくできたら一番嬉しいかな。
アレンジやカットでその人の魅力を引き出せたら嬉しいって思う」
「本当に可愛くなりました!
私、髪型が変わってから世界が変わったように見えて、世界が眩しく映るようになって…。何をしていても楽しいんです」
「…嬉しいな。良かった。役に立てて」
「これまで髪型を気にしたことなかったから、髪型でここまで変わることにびっくりしちゃって…。
そうだ、佐藤さんは、どうして美容師の仕事に興味を持ったんですか?」
「うーん、僕の場合は、興味とか考える前から身近だったから…。
むしろ、他の選択肢を考えたことがなかったな。
僕の実家はここだし、子どもの頃からずっと、大きくなったらこの美容室を手伝おうと思ってたから」
話を聞くたびに、どんどん興味がわいた。
髪のことにも、髪を切ってくれる彼自身にも。
だから、美容室に行くたびに次の髪型と、彼への質問を考えた。
趣味を聞くと、「ほとんど仕事してるからあまり趣味ってないけど、たまに映画とかは見るかな」と答えてくれたので、私は今おすすめの映画を猛プッシュした。
「先週公開になったばかりなので、どこかで一緒に観に行けたら嬉しいんですけど…空いてる日ってありますか?」
そして、いつの間にか自然に康介をデートに誘っていた。
何となく美容室を探していたあの頃とは比べ物にならないくらい積極的になっている自分に、自分が一番びっくりしていた。
迷惑じゃないかと不安だったけど、康介は私の質問とアプローチに優しく応えてくれた。
交際をはじめた後も、仕事で忙しい中、休みができるといつも私との時間を作ってくれて…。
この人しかいない、と思っていた私は、ある日ついに自分から「結婚したい」と言った。
康介は優しく笑いながら「それは、俺の台詞だよ」と答えた。
「この指輪を見た時、すごく眩しく感じたの。私の世界が変わったあの日みたいに…。
だから、この指輪がいいなって思って」
急に「この指輪が欲しい」と言い出した婚約者・菜月に理由を尋ねると、ミディアムボブがよく似合う彼女は嬉しそうにそう説明した。
感動しやすいところ、直感的に物事を決めるところは出会った時と変わらない。どこまでも真っ直ぐで素直で、笑顔が可愛いところが好きだ。
実家の美容室がオープンして25年。
23年前、オープンからわずか2年で父が他界してから、母は美容室を守りながら、女手一つで俺を育ててくれた。
だから、母を助けたいと思ったのも、美容師になって店を守ろうと思ったのも俺にとっては自然の流れだった。
仕事は好きだけど、美容師になったのは当たり前で、それ以上の感覚はなかった…あの日、菜月にとびきりの笑顔で「ありがとうございます!」と言われるまでは。
「あの日みたい、か」
あの日世界が変わったのは、俺の方だった。
菜月に心から喜んでもらえて、初めて“美容師になってよかった”って思えたんだ。
義務のようにやってきた美容師の仕事を、初めて心の底から選んでよかった選択肢だと思えた。
あの日は、俺の人生の中で、間違いなく一番眩しい瞬間だった。
「『eclat』…ゆびわ言葉は『かけがえのないもの』」
菜月が猛プッシュする指輪のページを改めて見る。
煌くようなふたりの出会いをイメージしたという『eclat』の指輪は、彼女の言葉を聞いたせいか、特別眩しく輝いているように見えた。
「…これにしようか。俺達に合ってる気がする」
「ほんと…!? ありがとう!」
俺がそう言うと、菜月は子どものようにはしゃいだ。
こういう時、彼女がいつも見せてくれる、眩しいほどの笑顔。
それは俺にとって、間違いなく『かけがえのないもの』だと思う。
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