Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
土曜日、休みが重なった私と雄治(ゆうじ)は一緒に買い物に出かけた。
ホームセンターで雄治が仕事で使う軍手を買い、スーパーで特売のお肉や丁度なくなったドレッシングなどを買い足し、帰路につく。
スーパーが混んでいて家に着く頃にはお昼になっていたので、簡単な昼食を作って食べた(今日はミートソースパスタにした)。
食後にコーヒーを淹れて一息つくと、雄治が「今日もなんか見る?」と聞いてきた。
「あ、うん」
パソコンをつけて、会員登録済みのオンデマンドサービスを開く。
「そうだ、こないだ言ってたやつの1期見終わったよ」
「どうだった?」
「雄治が言ってた通り、最初はうーん、って感じだったけど、最後まで見ると面白かった。2期もあるんだよね?」
「うん、去年やってたやつだからもうこっちで見られるよ」
「じゃあ、それにしようかなあ。雄治は見るの2回目だよね?」
「ん、でも2回目は1回目とは違う発見があるから、2回目でもいいよ」
「そっか。じゃあ、見よう」
私達がしているのは少し前に放送していたアニメの話だ。
元々アニメが好きだったのは雄治だけで、私は全然詳しくなかったんだけど、影響されて見始めたらハマってしまった。だから、今は彼がおすすめするアニメは見るようにしている。
「えーっと…2期は…っと」
雄治が代わりに目的のアニメを検索してくれたので、見つかるまでの間に、私はパソコンの手前にスペースを作りマットを敷く。
最近のマイブームが”ながらストレッチ”で、アニメを見ながらストレッチをするのがお気に入りなのだ。
ちなみにマットは2枚敷く。こっちはアニメとは逆で、雄治が私に影響されて一緒にやるようになったので、2枚必要になった。
「準備できたよ」
「こっちもオッケー」
「先生、今日のストレッチは何でしょうか」
「えー、今日はテレビやパソコンの画面を見ながらでもできるヨガのポーズをやりたいと思います。ナヴァーサナといって…」
インターネットで調べただけの知識だけど、彼に乗せられて、つい先生のように話してしまう。
とりあえず、見よう見まねで覚えたナヴァーサナのやり方を教え、一緒にやってみた。
「うわ、地味だけどめっちゃキツい」
「体幹強化のためだから、ほら、頑張って」
私は雄治を励ましながらパソコンの方に向かい、再生ボタンを押す。
そうして今日も、”ストレッチをしながらアニメを見る夫婦”という、端から見たらちょっと変な絵面が出来上がった。
「いてててて…ちょ、これ全然画面の方に集中できない。
…あっ、ちょっと今のところ巻き戻して」
「見るの2回目なんじゃないの?」
「2回目だけど、今のシーンは見たいところだったから…」
そんな会話をしながらアニメを見て、時間が過ぎていく。
休日の昼下がり、カーテン越しに午後の柔らかい日差しを浴びながら2人でこんな時間を過ごすのが、私にとって最高の癒しであり、幸せだ。
親友のように仲の良い夫・雄治と知り合ったのは、大学生のとき。
アルバイトをしていた雑貨屋さんに、彼がお客さんとして現れたのが最初の出会いだった。
店は雑居ビルの3階という目立たない場所にあり、お客さんのほとんどが女性だった。
だから、こんな所に一人で訪れる若い男の人は珍しくて、自然と興味を持った。
「あの、すみません」
目で追いかけていたら声をかけられて、「何かおすすめのアイテムとかないですか」と聞かれた。
「贈り物ですか?」と聞くと、「就活で大変そうな大学生の妹にプレゼントしようと思って」と答えてくれた。優しいお兄さんだな、と思った。
その数日後、おすすめした一点もののアロマポットを友人の部屋で見つけたときはびっくりした。
「お兄ちゃんがプレゼントしてくれたんだ」
「お兄ちゃんって…もしかして」
写真を見せてもらうと、やっぱり店で出会ったお兄さんだった。
優しいお兄さんは、実は友人のお兄さんだった。
それがきっかけで少しずつ仲良くなり、最終的に夫婦になった。
優しいお兄さんは妹の友達である私にも優しくて、その優しさは恋人になった後も、妻になった後も変わらなかった。
私の意見や気持ちを大切にしてくれて、私が困っているときは助けてくれて、私の趣味を一緒になって楽しんでくれる。
前に一度、そのことに対する感謝の気持ちを伝えたら「だって、和(のどか)も一緒にアニメ見てくれるでしょ」なんて返されたけど、それは私が好きでやっていることだ。
だから、絶対に私より、雄治の方が優しいと思う。
「でも、そっちだって優しくない?」
「へ?」
頭の中で考えていただけで、何も口に出していないはず…なのに突然反論され、私はびっくりして雄治を見る。
すると雄治もきょとんとした顔をして、「え?」と言った。
「あ、いや、主人公はいい奴だけど、この子も優しいよなぁって思って」
「…ああ」
なんだ、見てるアニメに対して言ったのか…びっくりした。
「…ふふ」
「どしたの?」
「…ううん。なんでもない」
変な勘違いをした自分がおかしくて、思わず笑ってしまう。
ああ、どうかこれからも大切な人と、今みたいななんでもない幸せな時間を過ごせますように。
私は『優しい気持ち』という意味が込められた結婚指輪に触れながら、そんなことを願った。
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