Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
僕たちが籍を入れたのは、信州の農村でのこと。
初めて勤めた会社を辞めた1年後のことだった。
新卒で就職した会社を、3年で辞めた。
やりがいはあったけど、いくら働いても減るどころか増えていくばかりの仕事と、怒られて頭を下げるだけの毎日に疲れ、心身を壊してしまった。
ボロボロになった僕を救ってくれたのは、大学時代からの恋人である真紀だった。
地元の札幌から一緒に上京した真紀は、働きながらもずっと僕のことを気遣ってくれた。
僕が動けなくなり、会社に行けなくなったとき、仕事を休んでまで駆けつけてくれて心療内科に連れて行ってくれたのも真紀だった。
過労で頭が麻痺していたから、カウンセリングを受けてはじめて気がついた。もう、仕事ができるような健康状態じゃなかったことに。
会社を辞めた僕は、信州の山奥で療養することにした。
何故信州だったかというと、心療内科の先生が信州の出身だったからだ。
話を聞くときはいつも温厚で、意見を言うときはいつも冷静な先生の故郷に行ってみたいと何となく思った。
そして、それを真紀に告げると…なんと「ついて行く」と言いだした。
真紀の決意は曲げられず、結局僕たちは二人で移住し、古い民家を借りて住むことになった。
あちこちボロボロで、最初は修繕しながらの生活。
それでも、確実に直っていき、住みやすくなっていくという体験は楽しかった。
付近に住む村の人たちも、新参者の僕たちを温かく迎え入れてくれた。
ここでの生活に役立つことを教えてくれたり、裏の山で採った山菜や、自分の畑で採れた野菜を分けてくれたり…。
そんなありがたい出来事や温かいコミュニケーション、そしてゆっくり流れていく時間に、僕は少しずつ癒されていった。
山奥の村に引っ越して1年後、僕たちは村の役場で籍を入れ、二人で農業を始めた。
周りに住む皆が畑を持っていることに興味を持ち、半年ほど前から、自分たちでも野菜を育て始めた。
畑は、近所に住むおばあさんが貸してくれた。自分はもう足腰がダメで畑に行けないから代わりに使ってやってくれということで、無料で貸してくれた。
僕たちは出来た野菜をおばあさんにプレゼントすることを約束し、野菜を育て始めた。
最初は全然上手くいかなかったけど、何とか育ってくれた野菜もあった。
植え方、育て方、害虫や気候の変化からの守り方など、わからないことは山ほどあったけど、村の皆が教えてくれた。
わざわざうちの畑を見に来て、アドバイスしてくれるおじさんもいた。
難しいけど、手間をかけ、世話をすればするだけ立派に育ち実る野菜たちを見るのは嬉しかった。
農家として農業を仕事にするようになってからは、更に大変になった。
田舎で農業、というとスローライフを想像するかもしれないけれど、やることはたくさんあり、スローではとても間に合わない。
でも、気がついたら夢中になっていて、夢中になっているうちに、あっという間に2年が過ぎていた。
もうすぐ移住から3年を迎える春、大阪で親戚の集まりがあった。
叔母に「一度くらいあんたの奥さんの顔が見たい」と言われたので、真紀を連れて参加した。
「そういえば、あんたら指輪はせぇへんの?」
そう言われ、結婚指輪を買っていなかったことに気がついた。
「今更だけど、指輪、買おうか」
真紀とそう話し、集まりの後に大阪でいくつかジュエリーショップを巡った。
あまりの種類の多さに迷いつつも、最終的にAFFLUXというブランドの『Evergreen』という名前の指輪にした。
夫婦揃ってデザインが気に入った、というのもあるけど…何より、この指輪のゆびわ言葉に共感したからだ。
『このままでずっと』。
農業を始めると言ったときは、両親にも昔の同僚にも良い顔をされなかった。
自分でも、この選択を現実逃避だと思うこともあった。でも今は現実逃避ではなく、自分らしくあるために農業をやっていくことに決めた。
二人が幸せになるのは、生き生きと過ごせるのは、このままでいることだから。
これからも、ずっとこのまま農家として生きていきたいと思った。
「やっぱり、大変だけど楽しいよね、こっちの方が」
「うん、こっちの方が、断然楽しい」
信州に戻り、再び僕たちは農作業に励む。
農家はやっぱり大変だけど…それでも、隣で生き生き働く真紀を見ていると、この道を選んで良かったと思う。
「ちょっと腰は痛いけど、ね」
昔は頭を下げまくって腰を痛めていた。
今は農作業で腰を屈め続けているせいで、腰を痛めている。
サラリーマンも農家も、どっちも腰を痛める大変な仕事だ。
でも、僕らにはこっちの痛みの方が、ずっと性に合っていた。
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