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Ring Story

Decora ゆびわ言葉 ®︎: こころ躍る

2020.12.08

「初めまして!お兄さんの紹介で参りました、前田孝則です!」

約束の日、約束の時間丁度に現れたその人は、第一声から明るく元気な人だった。

車を買い替えようと思ってる、と実家で兄に話したところ、仲良いフットサルサークルの後輩が車の営業をやってるから、と紹介された。
翌朝すぐに連絡が来て、私の家で少し話をすることになった。

「進藤優の妹の、進藤佳奈絵(かなえ)です。よろしくお願いします」
「佳奈絵さん…」
「はい」
「…」
「どうかしました?」
「あ、いや…良い名前だな、と思って。女性らしい名前で凄く良いですね!」
「…はあ」

…しかし、紹介されたその人は、第二声から既に変わった人だった。


 

不安はあったものの、本題の車の話については全然問題なかった。
むしろ、詳しく希望を聞いた上で一番良さそうな車種を案内してくれたので助かった。
仕事できる人なんだなあ…と思っていると、その人はふと思い出したように、「そういえば、ずっと気になってたんですけど」と言った。

「はい?」
「この部屋、めちゃくちゃ良い香りがするんですけど、何の香りですか?」

そう言われて、ああ、と気がつく。
滅多に人を入れないし、いつもこの匂いだから、気にしてなかった。

「ベルガモットです。アロマが好きで…というか、仕事でもあるんですけど」
「お仕事?」
「アロマショップの店員をやってて」
「へえ…!素敵なお仕事ですね。
何か、ますます佳奈絵さんのこと好きになってきました」
「いや、そんな」
「佳奈絵さん、かなり俺の理想の女性に近いんです。だから、できれば商談なしでお茶したいんですけど、仕事中なので誘えないのが歯がゆいです」

…ん?なんか会話の流れがおかしいような。

「もしかして、口説いてます?」
「はい。真剣に」

…え、何これ。セールストークの一種?
車の話をしている時と全く同じトーンで返され、混乱する。

「…お断りします」
「わかりました。また今度誘いますので、気が向いたら行きましょう」
「あの」

とりあえず断ると、断ったはずなのに、あっさり流されてしまった。
その日はそのまま帰ってくれたから良かったけど、何なのこの人?というのが、初めて会った時の感想だった。


 

その後も前田さんは、商談の度にさりげなくデートに誘ってきた。
毎回、丁重にお断りした。
自動車営業の人って、こうやって相手を持ち上げて契約を取るのだろうか。
だとしたら、流されないようにしないと…そう思いながら話を聞くけれど、毎回商談自体はすごく真面目で、こちらの事情を考慮した提案をしてくれていた。
合間に他社の人にも話を聞いたけど、結局彼の提案が一番私に合っていたので、そのまま契約を決めてしまった。

契約後も、彼は納車やアフターフォローなどで頻繁に私の家を訪れた。
そしてその度に口説かれた。
「諦めが悪い男ですみません」なんて言いながらも、ちゃっかり毎回連絡先が書かれたメモを家に置いていく。
断るとあっさり引くし、誘うのも毎回一度だけだから、悪い人じゃないのかも…何度も会って話すうちに、ふとそんなことを思ってしまったのがまずかった。
気まぐれで連絡したら、すぐにお茶することになり、デートすることになり、気付けば付き合うことになってしまっていた。
いつの間にか名前で呼ぶようになり、タメ口で話すようになり、何とも思っていないはずだったのに、好きになってしまっていた。


 

付き合い始めて半年が経った、11月末のこと。
一緒に街でクリスマスツリーを見ていると、ふと孝則が「最近あまり見なくなったけど、やっぱ飾り付けに綿は欠かせないよな」と言った。
それから、「佳奈絵の家では何飾ってた?」と聞かれ、私は少し言葉に詰まった。

というのも、私の家ではツリーを飾る習慣も、プレゼントをもらう習慣もなかったからだ。
単純に、小さい頃実家が裕福ではなかったから、というだけの理由なんだけど、そういえばクリスマスって何かを飾ったりもらったりできる日なんだっけ、と思った。

私が思ったことをそのまま口にすると、孝則は一瞬ぽかんとした後、「じゃあ今年から、佳奈絵の家でクリスマスをやろう!」と言った。
その一週間後には、彼はクリスマスツリーとオーナメントを持って私の家にやって来た。その中には、彼にとって外せないという綿も入っていた。

「俺、毎年一人で張り切ってツリー飾ってたんだよな。
だって、自分で飾った方がワクワクするじゃん。これからクリスマスだ、イベントだ!って感じでさ。単に俺が祭り好きな性格ってだけかもしれないけど」
「ううん。何となくわかる気がする」

ツリーに綿を飾り付けながら、私は言う。

「なんか、初めてクリスマスが楽しみになったかも」

すると孝則は、「やっぱり佳奈絵は、俺の理想の女性だ」と言った。
そんな彼に、私は前から気になっていたことを聞いてみる。

「ねえ、前から言ってたけど、孝則の理想の女性ってどんな人なの?」
「佳奈絵と佳奈絵を足して2で割ったような人」
「それ普通に私じゃん。…そういうことじゃなくて」
「んー、髪は長めで、茶髪で」
「うん」
「オシャレで、可愛いよりは綺麗系で、女性らしい趣味を持ってて」
「…うん」
「ズバッと思ったこと言ったり突っ込んだりしてくれるような、芯があるけど、優しい人。
何でも一緒に楽しめそうな人」
「…」
「ね?普通に佳奈絵でしょ」

彼と会話をすると、いつもこんな感じだ。
ズルいくらい口が上手くて、あっという間に心を奪われてしまう。


 

更に一ヶ月が過ぎ、クリスマスイブの日。寒い中わざわざ家まで送ってくれた孝則を、私は家の中に招いた。
温かいお茶を淹れにキッチンに行き、孝則にお茶を出す。するとその間に、クリスマスツリーの一番上にある星がなくなっていた。
代わりに何か、キラキラと光る物が飾ってある。近くに行き手に取ってみると、それは紛れもなく、本物のダイヤモンドの指輪だった。

「俺と、結婚してくれませんか」

後ろから孝則の声が聞こえた。
返事は決まっていたけれど、あえて振り向かずに尋ねた。

「断ったら、どうするの?」
「今日は諦める。で、佳奈絵の気が向くまで頑張る」
「…諦めが悪い男なんだっけ?」
「うん、めちゃくちゃ悪い。一生続くかも」

そう言うと思った。
私は一つため息をつき、呟く。

「…じゃあ、私が折れるしかないじゃん」

孝則の方を振り向き、左手と指輪を差し出すと、彼は恭しく跪き指輪を薬指に通してくれる。
それはとてもキラキラしていて、存在感のある指輪だった。

「初めてのクリスマスプレゼント、どう?気に入った?」
「うん。クリスマスがこんなに素敵なイベントだなんて思わなかった」
「うわ、ハードル上げちゃったかも。来年以降どうしよう…」

孝則はそう言って少し考える素振りをした後、急に私を抱きしめて言った。

「でも、すごい楽しみだ。来年は夫婦として佳奈絵といられる」
「再来年もね」
「その頃には、プレゼントに家族が欲しいな」
「…うん」
「そんで、その次の年は…」

彼はこれからのたくさんの理想を、私の耳元で囁き続ける。
それはあくまで理想だけれど…でもその理想だけで、来年も再来年もずっとワクワクしていられるような気がした。


 

Decora ゆびわ言葉 ®︎: こころ躍る

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