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15年ほど前のこと。
ある町の小学校に、名前のよく似た二人の子どもがいた。
一人は「怜」。女の子のような可愛い外見の男の子で、声変わりもまだだったため、通りすがりの人に女の子と間違えられることもあった。
身長が低いこと、引っ込み思案で自分から他の子を遊びに誘えなかったこともあり、次第にネガティブになっていった彼は、いつも本を友達として過ごしていた。
そんな男の子を気にかける、一人の女の子がいた。
名前は「玲子」。明るく活発で、更にみんなに優しい良い子だった。
彼女はその性格から、いつもクラスの人気者だった。
全く性格も立場も違う二人には、ひとつだけ共通点があった。
それは、お互いによく間違えられること。
「れい」と呼ばれると、二人とも振り返った。
しかし、大抵の場合玲子のことを指していたため、怜は振り回されるばかりだった。
玲子は怜を自分のせいで振り回してしまっているように感じ、ずっと謝りたかった。
しかし、二人をからかう周りの言葉に幾度も傷ついた怜は、
いつしか玲子に関わることを拒絶した。
12年ほど前のこと。
怜は誰とも関わらずに済むよう、心に壁を作った。
身長は伸び、声変わりもし、見た目も立派な男子になった。クラスメートから対等に声をかけられるようにもなった。
それでも、怜が友達を作ろうとすることはなかった。
怜はずっと考えていた。
同じ「れい」でも、光を意味するのは玲子の方で、自分はずっとその裏にいる影のような存在なのだと。
怜はずっと気づかなかった。
そんな自分を、玲子はずっと気にかけ、助けようとしてくれていたことに。
3年ほど前のこと。
偶然同じ都市で仕事をしていた二人の「れい」は再会した。
「待って。私、どうしてもあなたに謝りたいの!」
立ち去ろうとする怜を玲子は止めた。
そして、背中を向けたままの怜に向かい、小学校の頃からずっと抱え続けてきた思いを話した。
ずっと謝りたかったこと。
自分のせいじゃなくても、それでもずっと胸が痛んだこと。
傷ついたのが他の誰かではなく、怜だから嫌だったこと。
本当は他の誰より、怜と仲良くしたかったこと。
「本当にごめんなさい。でも、もし、今からでも許してくれるなら。
私、あなたと友達になりたい!」
1年ほど前のこと。
二人の「れい」は、同じことに気がついた。
友達として付き合い始めたものの、自分にとって相手は、ただの友達なんかではなかったということに。
二人が深く傷ついていたのは、名前のせいでも相手のせいでもなかったことに。
傷ついていた理由は、ずっとお互いのことが好きだったのに、近づけず突き放し、離ればなれになっていたからだったことに、何度もデートを重ねた二人は、そこでようやく気がついた。
そして、1分程前のこと。
怜は唾を飲み込んだ。
これまでの15年間のことを頭に巡らせながら、言葉を紡いだ。
「あの日、偶然会った僕を追いかけて、謝りに来てくれてありがとう」
旅行先のホテルの一室で、怜と玲子はサイドテーブル越しに見つめ合う。
夕食もお風呂も済ませて後は眠るだけだというのに、妙に張り詰めた空気を感じた玲子は、怜の言葉に嫌な予感を覚えた。
またどこかに行ってしまうのではないかという思いが、玲子の頭をよぎった。
ずっと掴めなかった影のような存在である怜を、やっと捕まえたのは3年前。
しかし、いつ消えてしまうかも分からない存在だと、どこかで不安に思っていた。
二人にとって、長い1分が過ぎた。
怜が口を開く。
「君が来てくれなかったら、僕はずっと過去のことに目をつぶって、真っ暗なまま生きていた気がする」
玲子の不安を、怜の言葉が、吹き飛ばしていく。
「だから、ありがとう。玲子。
そして、できればこれから先の未来も…君と一緒に、歩いていきたいんだ。君と一緒の、輝く未来を」
テーブルの上に指輪が置かれる。
中央のダイヤモンドの輝きが、玲子の目に涙を溢れさせる。
「良かった。本当に、良かった。
『怜くん』が、同じクラスだったこと。また会えて、気持ちを伝えあえて…これからもずっと、一緒にいてくれること。
本当に、嬉しい。ありがとう」
手で顔を覆い大粒の涙を流す玲子を、怜は優しく抱きしめる。
「これから二人で、幸せになろう」
15年間の光と影が、一つに重なる。
その瞬間、これまでの年月以上に長い長い光の道が、二人の前に広がった。
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