Ring Story「ゆびわ言葉®」で繋がる愛の物語をAFFLUX(アフラックス)でチェック!
「美保のことが、本当に大切で…。
…だから、できれば、その、ずっと…一緒にいてほしい」
そのプロポーズはたどたどしかったし、指輪もなかった。
何の日でもない、いつものデートの帰り道。
夜の公園のベンチで休憩していたとき、隣に座っていた私の手をぎゅっと掴み、孝裕は俯いたままそう言った。
一般的には、NGと言われるようなプロポーズなのかもしれない。
でも、彼の震える手、緊張した声、シンプルだけど偽りのない、心からの気持ちだとわかる「一緒にいてほしい」という言葉。
「はい」
それは私にとって、そう返事をするのに充分すぎるプロポーズだった。
真剣に、勇気を持って一歩踏み出してくれたこの人と、この先の人生を共に歩んでいきたいと思った。
それから、一ヶ月。
両親への挨拶もとんとん拍子に進み、あっという間に入籍をすることになった。
その辺りで、ふと、指輪のことを思い出し、「結婚指輪とか、どうしようか」と聞いてみた。
「あっ…。ごめん。そうだ、そういえばプロポーズの時も渡してなかった」
孝裕はすぐに見に行こう、と提案した。
ちょうどその日、他に用事がなかったこともあり、私達は婚姻届を提出した後すぐにジュエリーショップに向かった。
ジュエリーショップは、気後れしてしまうくらいキラキラと輝いていた。
中央に大粒のダイヤをあしらった婚約指輪や、形や模様が美しいペアの結婚指輪が、ショーケースにずらりと並べられている。
「すごい…」
私達が綺麗にディスプレイされている指輪をおそるおそる眺めていると、後ろからスタッフの女の人が声をかけてくれた。
「何か気になるものはございましたか?」
「えっと…いや、どれも本当に綺麗すぎて…」
私が返答に詰まっていると、孝裕が助け船を出してくれる。
「これ、不思議な形ですね。ひねってあるっていうか」
「『fondu』ですね。こちらはチョコレートフォンデュなどのフォンデュをイメージしたリングで、フォンデュの混ざり合う様子を”ひねり”で表現したリングなんですよ」
スタッフさんはそう説明してくれたけれど、私は”ひねり”そのものより、別の単語に反応してしまった。
「チョコフォンデュ! 私チョコフォンデュ大好きなんですよ…!
フルーツもいいけどポテチやクッキーもいいし、いろんな具材を試すのが面白いですよね。
寒いの苦手なんですけど、美味しいチョコがいっぱい食べられるから冬は好きです…!」
そこまで一気に話してから、はっと我に返った。
慌ててスタッフさんの方を見たら、スタッフさんはにっこり笑って、「わかります、その気持ち」と言った。
「私も家にフォンデュ用の鍋があるので、この時期はチーズフォンデュやチョコフォンデュ、よくやるんです。
別々の具材が混ざり合って美味しくなるところがいいんですよね」
「そうなんですよね…! ちなみにいつも、どんな具材でやりますか?」
「そうですね、私は…」
その後数分くらい?
気付けば私はスタッフさんとフォンデュの話題で盛り上がってしまっていた。
「ほら、そろそろ指輪選びに戻ろう」
そう孝裕が言ってくれなかったら、たぶんまだまだ続いていたと思う。
好きなもののことになると、つい周りが見えなくなってしまうのが私の欠点だ。
「…ええと、指輪の話に戻しますと、そのフォンデュのように、『想いが溶け出し、ふたりのこころがひとつになりますように。』という願いが込められているのが『fondu』なんです」
「へえ…」
「別々の道を歩んでこられたおふたりがひとつになるのが結婚ですから、指輪でもそのことを感じていただけたら嬉しいですね」
「なるほど…」
由来にすっかり感心してしまった私は、そのまま試着し、試着した流れでそのまま「これにしよう」と言ってしまった。
孝裕も「うん。このひねり感もいいし」と答えてくれた。
フォンデュの具材みたいに、私達も別々のところから混ざり合い、結婚し、共に生きる。
結婚がフォンデュのようなものなのだとしたら…もしかしたら、その先に、思いがけない変化が起こるのかもしれない。
合わないこともあるかもしれない。でも、交わるからこそ、一人では味わえない美味しさ…”幸せ”を感じることも、できるのかもしれない。
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